レビュメモ!

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平手響のハマりっぷりよ「響 HIBIKI」ネタバレあり・ネタバレなし感想

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 2018年/日本/104分/平手友梨奈/北川景子/アヤカ・ウィルソン/75点

 

 

あらすじ

出版不況が叫ばれる文芸界。文芸雑誌「木蓮」編集部に一編の新人賞応募作が届く。応募要項を一切無視した作品のため、破棄されるはずだったその作品に編集者の花井ふみが目を留めたことから、状況は大きくは変わり始める。「お伽の庭」と題されたその小説は、15歳の女子高生・鮎喰響によって書かれたものだった。

ー映画.comよりー

 

 

ざっくり感想

天才と秀才と凡人と

小説家いろいろ

響がたまに笑うの可愛くてずるい

 

 

原作漫画「響 小説家になる方法」は既に読んでいて、「映画化・響役は平手友梨奈」と聞いた時に「あぁ、合ってるな」と思ったので「キャスティングの違和感」の心配はせずに観に行きました。

普通に面白かったけど平手友梨奈の独特の魅力を存分に活かして作られている点、EDのソロ主題歌まで含めてアイドル映画としても秀逸。

北川景子や小栗旬、柳楽優弥など脇を固めた俳優陣もハマり役だと思いました。

 

 

私はアイドル好きなので(女子アイドルは最推しが卒業引退してからここ1年半ほど特に推しもおらず情報も入らずな隠居ですが)、主演の平手友梨奈所属の欅坂46は新曲が出たことに気付いたらMVでチェックし、気に入った曲はカラオケで歌ったりもしています。

大人に支配されるな系の欅坂ですが、その詞を書いてプロデュースしてるのが秋元康という皮肉めいた部分まで含めて興味深い。

平手友梨奈は推しとかではないんですが凄い子だなと思うので個人的にこれからどんな大人に成長するのか楽しみであり余計なお世話ですがちょっと心配だったりしますまだまだ多感な17才。

 

すみません脱線しました話を映画に戻しまして。

 

響という15歳の天才少女の破天荒ぶりに周囲の一般人が振り回されたり惹きつけられたり気付かされたり反発したりでも天才はブレないんだぜ、という話で私は凡人なので天才に対しては「天才すげぇ」と感心しかないのですが作中に出てくる秀才(小説家いろいろ)が愛おしかったです。

 

天才・響が書いた小説を読んで「響って何歳ですか、私より上ですか下ですか」と気にする女性小説家や、「自分はお前らとは違う」と周囲を見下し接客ができない新人小説家や、芥川賞に3回ノミネートされるも毎回一歩届かず「何も結果が出せなかった」と嘆く運にも恵まれていなさそうな小説家や、傑作を数本書くもそれで燃え尽きてしまった「元天才」な小説家、敢えて親の七光りを利用しながらも天才にはやはり及ばず劣等感を持ってしまう響と同じ「高校生作家」など、響が苦悩型の天才でないこともあり秀才がんばれ、な気持ちになってしまう。

小説家デビューできるだけでも凄いことだと思うのですが天才の背中が見えてしまう分、秀才は大変なのかなぁとか。

 

主人公の響は原作でも色々な面でとんでも天才少女ではあるけれど、たまに年相応な可愛さを見せたり「ダサい」と言われて後からこっそり「私って、ダサい?」とちょっと気にしたり周囲と自分のズレを「私が、おかしいのかな」と消化しきれない部分があるんですが映画の響は天才みが強くそういった面が描かれなかったのが残念でした。EDの主題歌でその点カバーしてるので、歌まで合わせて1本の映画になってます。

が、平手響がポツリと「私って、ダサい?」とか言ったら滅茶苦茶キュンとすると思うので演技の方でも見たかったとも思う。

そのぶんアルパカにはしゃぐエピソードは原作よりも映画の方が「アルパカ~!」と無邪気にはしゃいでいたり、部屋に動物のぬいぐるみがあったりと年相応の可愛らしさは強調されていて。

好きな作家に「あなたの小説、好き。握手して」と無邪気に手を出すの可愛い。

面白くないと思う小説に対しては容赦ない批評するんですけどね…。

 

 

 

 

 

ネタバレなし感想

 

 

 

文芸雑誌『木蓮』の新人賞投稿作品が編集部に届く。

手書き作品は規定外のため破棄されそうになるが、偶然手に取った編集員・花井ふみはその才能に圧倒され自ら(同僚を一人道連れにはしましたが)テキストに打ち直し応募。作者名「鮎喰響」以外は連絡先も不明のまま審査を突破していき、新人賞候補作品となる。

 

作者の鮎喰響は高校一年生。

入学した高校で幼馴染の涼太郎を誘い文芸部に入部しようとするも部室をたまり場にしていた不良上級生に追い払われそうになります。

食い下がる響にリーダー格のタカヤは「殺すぞ」と脅すも、響は襟首を掴んできたタカヤの指を掴み躊躇なく折ります。容赦なく結構な角度で曲がる指。

序盤から物理で相手の指を曲げてます。

当然「何すんだテメェ!」となりますが「殺すと言われたから殺されないようにしただけ」と涼しい顔の響。筋は通って…る…?

後日、再び文芸部を訪れた響と涼太郎。

文芸部部長の凛夏は部室の本棚の小説について「この小説は面白い・面白くない」で若干揉め、響にでっかい本棚を倒されたりしながらも「響ちゃんのせいで部員が減って活動できなくなるから部員集めてきて」と指令を出します。

響は自分が指を折ったタカヤの勧誘のため屋上へ。

タカヤは条件として「落とし前だ。屋上から飛び降りろ」と言いますが、響はやはり表情も変えず屋上の端へ。

「落とし前ならあなたが押すんでしょ」と自分の背中を押して屋上から落とせ、という響にさすがに参り、戻ってこいというタカヤですが風が吹き響はそのまま落下。

屋上から落下するも生垣がクッションになり響は「びっくりした」と言いながらも無傷ですすごい運強い。 

 

『木蓮』編集部ではベストセラー作家・祖父江秋人の新作が発売されソビエストと言われるファンが行列が作っているというニュースを見ていました。

文芸不況の為、出版社が違うにも関わらずニュースを喜ぶ同僚達にふみは苦い顔。とはいえ自社でも祖父江秋人には書いてもらっておりふみはその担当。更に実は祖父江秋人の娘である凛夏とも繋がりがあり、WEBで小説を発表している凛夏の才能を認めたふみは本の出版を予定していました。

鮎喰響から1本だけ電話があったものの「私の小説どうだった?」と聞かれ「面白かたったです!」と熱く感想を語ったところで「ありがとう」と切られてしまい成す術もなく焦っていたふみですが、訪れた祖父江邸で響と運命の出会いを果たします。

目の前で響の小説を絶賛するふみに凛夏は複雑な思いです。

更に編集長から「祖父江秋人の娘であることを全面に出したい」と打診があり、『親の七光りか…』と迷いながらも「たくさんの人に読んでもらえるなら」と了承する凛夏は処女作『四季ふる塔』を書き上げます。

 

 

 

響の『お伽の庭』ともう1本、田中康平(柳楽優弥)の作品が『木蓮』の新人賞に選ばれます。

凛夏に押し付けられた一張羅・ゴスロリ服と水色の縦ロールツインテウィッグで授賞式の控室にやってきた響は、審査員の作家数人に「あなたの小説好き。握手して」とねだったり可愛い一面を見せますが、響の小説を読みもせず「話題作りの女子高生作家だろう」と敵対視してくる田中(握手で響の手をわざと強く握る)に噛みつかんばかりの敵意を返します。

控室ではふみに抑えられ暴力沙汰にはなりませんでしたが、授賞式のステージ、スピーチ真っ最中の田中をパイプ椅子で殴ってしまい場内は騒然。その様子もマスコミに撮られてしまいます。

病院行きを断りブツクサ文句を言いながら電車を待つ田中の背中にいつの間にか回った響は怯える田中へ「あなたの小説ひとりよがりだった」「文句を言うなら読んでからにして」とズバリ。

 

また、ふみとの打ち合わせの為に訪れた出版社を訪れた凛夏を「パパのコネで出せて嬉しい?」「そのツラで小説書くの?援交とか向いてることした方がいいんじゃない?」といたぶるかつての芥川賞作家、鬼島仁を蹴り倒しふみに謝るように言われますが「友達(凜夏)がいじめられたから」「どうしてふみは蹴らなかったの?」と響はあっさり。滅茶苦茶だけどそういうとこ憎めない響。

鬼島の小説についても「前からあなたのことひっぱたきたかった」「あなたはかつて天才だった、芥川をとった5作目までは。6作目以降は何一つ面白くなかった」「今はたまにTVに出てるおじさん」とバッサリ。

最初は激怒していた鬼島も図星をさされ、響が『お伽の庭』作者と知り「芥川をとってから俺には世の中に言いたいことがない」「世界を感動させるのはお前に任せるよ」と本音を明かし響を認めます。

『お伽の庭』どんだけ面白いのか…。

 

 

凛夏は凛夏で話題性から処女作とは思えない売り上げを達成するも自分の作品に自信が持てず響を意識し、『四季ふる塔』の感想を言おうとする響に「ノミネート作品が発表されてからにして」と距離を置く宣言をするも「つまらなかった」とズバリされ喧嘩したりします。

結果は響のみ芥川賞・直木賞のWノミネートという快挙。

約束通り凛夏の元を訪れた響は仲直りしつつも『四季ふる塔』を正直に「つまらなかった。何が表現したかったのか、何が何やら」と自分のWノミネートは眼中なしに小説の話をします。

 

Wノミネートで一気に響が世間から注目されたのに合わせ、マスコミは新人賞授賞式での響の田中への暴行行為を一斉報道。

響を着け狙う記者・野間口という男も現れ…。

 

 

 

 

 

 

以降、ネタバレあり感想

 

 

 

原作でのPNは「響」だったので正体がバレるまでしばらく時間があったのですが、映画では「鮎喰響」とフルネームだったこともあり、記者・野間口が「君が『お伽の庭』の響さんでしょ?彼氏いる?今どきの高校生だからいるよね?」みたいにつきまといます。が、響にカメラを奪われ道路にポイされカメラは大破。

さらに響は野間口の後をつけ自宅に入り込み、部屋に飾ってある野間口の息子の写真を発見。

「一人暮らしみたいだけど離婚?別居?」名前が書いてあるのを見て「勇太くんはどこに住んでるの?」と質問を重ねる響に野間口は「子供は関係ないだろ」と立腹。「私だってお母さんとお父さんの子供よ」と返された野間口はハッとするも、「小説家になるための努力は特に何もしていない」と正直な響に「努力もせず気づいたら天才だったんだろ、じゃあいーじゃねーか何書かれても!」と開き直ります。

有名税というか天才税みたいな考え…?

 

野間口はじめ、マスコミ各社が新人賞受賞式での響暴行をとりあげ「作品が素晴らしくても作家の人格に問題があるのに賞をとっていいのか」と問題視しますが、コメンテーターとして出演している鬼島は「私も蹴り飛ばされたことがありますが、『お伽の庭』は間違いなく受賞にふさわしい」と激賞。

街頭ニュースでWノミネートを知った小説に興味がない若者が「15歳の高校生で話題性があるからだろ」「可愛いからよくない?」みたいに話していたところに居合わせた田中康平も「読んでから文句を言え。俺はあの小説を読んで人生が変わった」とドヤ顔。『お伽の庭』どんだけなんだ。

 

 

一方、もう一人の小説家。

芥川賞に過去3回ノミネートされるも毎回逃し、狭い部屋で無精ひげを生やしひたすら執筆をして書き上げた『豚小屋の豚』が発売され本屋に出向いた山本春平はどどんと面陳(背表紙ではなく表紙を見せる陳列)+島で平積みされまくった祖父江凛夏のデビュー作『四季ふる塔』を横目に自分の新作を探しますが、棚に1冊名前順で背差しされているのみで現実の厳しさに項垂れます。新作が無事に芥川賞にノミネートされるかも不安で仕方がない山本でしたが無事に候補に挙がります。

芥川候補になるたび親御さんからお守りをもらっていましたが、芥川受賞の姿を見せる前に他界してしまったとのことで担当編集者から新たなお守りをもらいます。

なかなか日の目を見ない作家とそれを支える担当は見ていて本当に応援したくなるのですが…。

そして演じるのが私の個人的に「イケてない役をやらせたら光る俳優」かなり上位にいる小栗旬です数日お風呂に入ってないんじゃないかって髪の質感とか良かった。

 

直木賞・芥川賞受賞式に合わせ、響は凛夏や文芸部の仲間と動物園に行きアルパカにはしゃぎます「アルパカァー!」とはしゃぎます可愛い。

ふだん笑わない子が笑顔を見せた時の圧倒的破壊力…。

 

 選考の結果、直木賞と芥川賞W受賞という快挙を成し遂げた響は会場へ。

プライベートを守るため黒のダウンコートのフードを深くかぶり、質問にははなが答えるという形式をとりますが、野間口の質問には「あなたの質問には私が答える」と直接対応。

野間口はわざと「暴力行為について」など挑発的な質問をしますが、「『お伽の庭』は本当にあなたが書いたんですか?そこの編集者が手を加えたのでは?」との質問にマイクを投げつけボコります。

当然非難され、ふみにも「あんなこと(編集が手を加えた)言われて怒るのもわかるけど」と嗜められるも「今はふみがいじめられたから許せなかった」とブレない響。このブレなさ…そういうとこだぞ響…。

とりあえずふみは各方面への謝罪や対応の為、ふみは響と別れ会社に戻りますが「こういうことになってしまった以上、本はうちからは出せません」と言い残します。

 

 

 

帰宅途中に響は踏切の前で偶然、芥川賞を逃した山本春平と居合わせます。

踏み切りが開いて響は前に進みますが、一向に動かない山本から自殺の気配を察知。響は「死ぬつもり?」と声をかけますが山本は「関係ない」と口を閉ざします。

 

「明日あなたがここで自殺したって知ったら私が嫌な気分になるでしょ」

「どうして死にたいか教えて。納得した消える」

 

と引かない響に

 

「小説家を10年やって何も結果が出せなかったから」

 

と正直に答える山本に響は

 

「私も小説を書いてる。10年もやってたならあなたの小説を面白いと思った人が少なくともいるはず。人が面白いと思った小説に作者の分際でなにケチつけてんのよ」 

 

と、またズバリ。

これ線路に立って山本と会話してたのですが、話してる間に踏み切りが下りて電車がプォン、と接近しても響動かず。

山本は焦って響に線路から出るよう言いますがやはり動かず。

迫り来る電車。

 

「太宰も言ってるでしょ。小説家なら傑作1本書いて死になさい」

 

 既の所で、電車は停止。

 

「私は死なないわよ。まだ傑作を書いた覚えはない」

 

うわぁ響かっこいい。 

そしてやっぱり運強い。

 

 

そのころ。

ふみは職場の編集部で他の同僚と共に会見を見た各方面からの電話応対に追われていました。

ひたすら各所に頭を下げるふみでしたが、そこへ手の平クルックルーな編集長がやってきて…。

 

車に乗っている響にふみから電話があり、『お伽の庭』出版決定!との報が。

あまりの反響の大きさ、話題性に初版100万部というすごい数字で、響を見出し寄り添ってきたふみも大興奮です。

そんなふみに珍しく「私にお金はいくら入るの」と現実的な問いかけをする響。 

 

 「1冊1400円として100万部の10パーセントだから…1憶4千万」

 

と答えるふみに「わかった」と電話を切る響。両隣には警官。

線路に侵入し走行中の電車を止めた響はパトカーに保護され「賠償金が数千万かかる場合もある」等お説教されていたのです。

 

「大丈夫、お金はなんとかなりそう」

 

そう言う響を乗せ、パトカーは夜の道を走っていくのでした。

 

 

 

そしてED、本編で強気な言葉が多かった響の心中を歌っているとも思える主題歌、平手友梨奈ソロ『角を曲がる』が流れます。

 

 

ここまでで、映画「響 HIBIKI」は完なのだと思います。

 

 

 

 

 

 

原作がまだ続いているので、映画はどこで切るのかな?と思っていたんですが「あ、ココなんだ」と思いました。 

原作漫画は響の小説家としてのこれからはもちろん、幼馴染の涼太郎との関係も何気に気になります映画では普通だったけど涼太郎もちょっとおかしいので。 

 

響?小説家になる方法?(1) (ビッグコミックス)

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