レビュメモ!

映画・舞台・本のレビュー。ネタバレありの時はその旨表記します。映画と漫画と美味しいものがあれば大体しあわせ。

2018年面白かった・刺さった映画ランキングなど

年が明け1月も半ば過ぎですが、備忘録も兼ねて2018年に劇場で観た映画のランキング・まとめ記事を。

 

映画そのものとしての評価でランキングを作ると結構違った結果になるのですが「個人的に好き・刺さった・繰り返し観たい」と思う映画で組んでみました。

 

しかしランキング外で印象に残った映画もたくさんありましたし、リバイバル上映で観て面白かった作品もあるのでそのあたりも中盤以降で触れたいと思います。

 

 

 

 

10位「少女邂逅」「死霊館のシスター」

映画としての評価というより「性癖に刺さった枠」の2作品。

たまたまですが同じ日に同じ映画館で続けて鑑賞しました。

 

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映画「リリィ・シュシュのすべて」、漫画「センチメントの季節」を思わせる、少女の残酷さや美しさや危うさを描いた作品。性別逆転ですが長野まゆみの小説的な雰囲気も。

20代の女性監督が独自の感性で撮った作品で「癖が強いなー」とも思うんですが刺さる人にはズップリ刺さりそうな1本。2人の女の子の依存度の高い百合的ともとれる友情のめくるめく蜜月「教室のカーテンに2人でくるまり、別の女の子に塗られたリップの上から自分のリップを塗ってあげる」というシーンがとても性癖だったので色々すっとばして10位。

 

 

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 「シスター」「教会」「悪魔」「エクソシスト」というワードをこれでもかと活かしたホラー映画。ビックリ系でジェットコースターのようにビュンビュン話しが進んでいくお化け屋敷的怖さです。ドン!ドン!ガーッ!と3ステップくらいで悪霊が距離を詰め襲ってきますが、墓地とかカラスとか十字架とか聖水とかヴァチカンとのしがらみとか雰囲気はとても良かったのと、私の性癖のひとつ「シスター」なヒロインがとても可愛かったうえに修道女見習いで白のシスター服を着ていたのがとてもよかったのでこちらも色々すっとばして10位。清楚系ヒロインが逃げまどうんですが、やられっぱなしじゃなかったのも好き。

 

 

 

 9位「名探偵コナン ゼロの執行人」

刑事 ドラマ「相棒」→ハリウッド映画「ダイ・ハード」「ワイルド・スピード」→少年漫画「名探偵コナン」という流れで1本で3度おいしい的な作品。

コナン映画初めて観たのでよけいにオチに「えええええぇぇぇっっっっ????」とびっくりしましたが、原作が少年漫画なことを考えるとあのラストは正しいのだと納得。

「そこからこうきてそんなオチになるんかい!」とツッコみながら観るのも楽しいと思います。

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 8位「テルマ」

 雪深いノルウェーのサイレンスホラー。「キャリー」の北欧版のような。

静かな恐怖は静かに雪に吸い込まれ…。

「超能力」…「少女の抑圧」…「信仰に背く恐怖」…「欠けた幼少時の記憶」…ウッ頭が…な作品。

色々な意味でじわっと怖い。

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7位「ゆれる人魚」

 キラキラした人魚姫のイメージを真正面からドンガラガッシャと10tハンマーで打ち砕いていくスタイルの、生臭くも美しい人魚姉妹の物語。

ファンキーかつ斬新なポーランド映画で前半はゆるいミュージカルのようなPVめいた音楽シーンも。

人魚が俗世間に染まっていく様や王子ポジションのとても顔が良いミュージシャンの屑っぷりなど見所たくさんでした。

 

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6位「リメンバー・ミー」

今年は「グレイテスト・ショーマン」「ボヘミアン・ラプソディ」などの音楽映画にすごく楽しませてもらいましたが「リメンバー・ミー」のメキシカン音楽・巻き舌もすごくイイ! 

死者の国も闇色×極彩色で綺麗だったし王道なストーリーも気持ち良く観れました。

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 5位「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」

うまく喋れないけど歌が上手な志乃とギターが弾けるけど音痴な加代。と、喋りすぎてうざがられる菊池。現実にクラスメイトにいそうな3人の自然な演技とロケ地の自然の美しさに引き込まれました。と書くと爽やかな印象ですが苦みも多分に含んだ、原作漫画家の「ただの吃音漫画にしたくない」という思いを汲んだ「青春映画」です。

 志乃が歌う『翼をください』『青空』『世界の終わり』を聴いて何故か涙が。合唱的な技巧的上手さではなくかといってアイドル的な可愛らしい上手さでもなく不思議な魅力の歌声でした。少女の歌う『青空』※ブルーハーツは何故こうも胸を打つのか…。

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志乃ちゃんは自分の名前が言えない

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 4位「教誨師」

新米教誨師と、6人の死刑囚との対話。基本的に刑務所内の教誨室でのみストーリーが進んでいきます。死刑囚の罪状や彼らは罪を悔いているか、教誨によって救いはあったのかなど、答えは描かれず観客は想像するしかないんですが、そのぶん自分がどう受け止めてどう考えるかに向き合えました。大杉漣さんはじめ出演者皆演技が上手で見応えもありました。

https://www.cinra.net/uploads/img/news/2018/20180412-kyoukaishi_full.jpg

  

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 3位「ヘレディタリー 継承」

こっわ!!こっわ!!!!全てが怖かった始まって数秒間登場人物が出てくる前から何かコトが起こる前から不気味なBGMが流れる訳でもないのに既にスクリーンから漂う空気が怖かった。「あ、この映画絶対怖いわ」という直感があり実際本当に怖かったです。若干のグロさや若干のびっくり系怖さもありましたがこの恐怖の本質はそんなもんじゃない…。ひたすらに禍々しい。

ストーリーや演出の怖さもありますが、ポスターの2人(母、娘)の雰囲気や演技がまた怖かったです特にお母さん。お母さんの顔芸ちょっと笑えるほど怖い。

公式サイトに「観た人限定完全解析ページ」があり、ネタバレを踏まえて2回目観てね!と推奨していて確かに2回目はもっと楽しみ怖がり観れるだろうと同意しつつ正直「また観たいけど怖いのでもう観れません」という気持ちです。

 

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2位「ボヘミアン・ラプソディ」 

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お決まりの感想になりますが「クィーン世代ではない、曲も何となくしか知らない私が観てもライブやレコーディングのシーンは血沸き肉躍った」 

元恋人メアリーとの別れた後も続く絆や反発していた父親との関係の変化など音楽以外でもジンとくる場面も多々あり、ラストはちょっとしんみりするのかな?と思いきやエンディングでハバナグッタ~イム♪な『Don't Stop Me Now』が流れるので悲劇的なラストになるでもなく鑑賞後も爽やかな気分。

ノンフィクションや実在の人物を元にした映画を観た時は鑑賞後に大まかにですが「史実との違い」を調べるようにしていて(誤った知識を誰かに教えてしまわないよう)、実際この映画についても時系列をいじったりしている等という記事も読んだんですが、ブライアン・メイが「これは伝記映画ではなく硬い石から掘り出されたような純粋なアート作品だ」とコメントしていたので2回目もアート作品として楽しく鑑賞しました。

 

 

 

 

1位「バーフバリ 王の凱旋」

現人神(あらひとがみ)的スーパーヒーロー・バーフバリの壮大な英雄譚。愛と友情、親愛、忠誠と裏切り…全ての要素が詰め込まれ10分に1度は訪れるクライマックス。

神話世界の絵本のような極彩色CG。恋の盛り上がりと共に翼を羽ばたかせ空を飛ぶ白鳥型の船。超絶腕力とトンデモ戦法で戦車にも負けず、徳の高さで暴れ象も従わせるバーフバリ。王の座を捨て愛した女性を守るバーフバリ。観ればあなたもバーフバリが治めるマヒシュマティ王国の民!王を讃えよ!!いや讃えずにいられない!!!

バーフバリ!バーフバリ!!バーフバリ!!!  

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振り返ってみると少女×少女映画が多い。

「少女邂逅」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」「テルマ」「ゆれる人魚」もそうですし、ランク外ですが「ヌヌ子の聖★戦」の主演2人も可愛かった。

 

音楽映画については今まで「ミュージカル映画」歌唱部分は「歌うまいなぁ」くらいの気持ちで観てたんですが「グレイテスト・ショーマン」が楽しすぎたのでこれからはもっと歌唱部分も楽しみながら観れそう。

 

あとは映画を観た後、しばらく気持ちを引きずるタイプなので「ヘレディタリー」を除いて極端に鬱な気持ちになる作品が入ってないですね。嫌いではないんですが。

 

 

 

ちなみにランキング外だと

「カメラを止めるな!」「万引き家族」「恋は雨上がりのように」「グレイテスト・ショーマン」「レディ・プレイヤー1」「チャーチル」「バッド・ジーニアス」「Search」「メアリーの総て」「聖なる鹿殺し」「ア・ゴースト・ストーリー」「ダンガル きっと強くなる」辺りが20位圏内かなぁという感じです。

 

観たかったけど地元で上映されていない作品も何本かあるのでそれらも観れていたらまた違う結果になったかな、とも思いますがとりあえず。

 

 

 

 

好きとは違うけど印象に残ったのが

「君が君で君だ」「君の名前で僕を呼んで」「ミスミソウ」でした。

 

 

「君が君で君だ」 

観賞後に キャッチコピーの「この愛は純情か、それとも異常か」どちらで感じるかによって感想がかなり変わってくると思います。

映画自体に勢いがあり役者陣もハマっていて面白いと思うし嫌いではないんですが好きとも言えない自分の中で消化が難しい1本。

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「君の名前で僕を呼んで」

 17才の少年エリオと24才の青年オリヴァーのひと夏の恋。

風景や音楽、二人が並んだ時のビジュアルもとても美しいんですがひと夏の恋だから美しいというのはわかるんですが「オリヴァー…おま…」という思いが拭えず…。

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「ミスミソウ」

鬱漫画「ミスミソウ」の実写映画化。

ショッキングな内容ではありますが白い雪に鮮血の赤とヒロインの黒髪が映えて綺麗なのと、ヒロイン、胸糞ないじめっこ、狂気なアイツ、どれも難しい役どころをみんな見事に演じていました。

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ミスミソウ 完全版(上) (アクションコミックス)

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ちなみに2018年に観たリバイバル上映系では「狂い咲きサンダーロード」「恐怖の報酬 完全版」が面白かったんですが、一番「え、なにこれ面白い」と思ったのは午前十時の映画祭で観た「七人の侍デジタルリマスター版」でした。

 

 

 

「こいつ今さら何言ってんだ」と思われたと思うんですが、昔DVD?で観た時は画面が暗くてよく見えなかったり台詞も何を言っているかわからない箇所が多く自身の雰囲気から察する能力も乏しくピンとこなかったんです…。

が、今回のデジタルリマスター版は画質も良く音もだいぶクリアで集中して観れて、207分という長い作品なのに最初から最後まで本当に面白くて驚きましたありがとう午前十時の映画祭。「世界の黒澤」をやっと実感できました。

 

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「狂い咲きサンダーロード」

痩せっぽっちのアンチヒーロー、仁さん最高かよ。

世界観とかもう色々滅茶苦茶ですがその中でも超ド級の滅茶苦茶を貫き通す仁さんカッコイイー!!!!

爆音映画祭にて観賞。

 

 

 

 「恐怖の報酬」

「 ニトログリセリンを運ぶだけのお仕事」にこんなにドキドキするなんて…。

完全版を観賞。

アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督『恐怖の報酬』Blu-ray

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以上、2018年に観た映画ランキングと印象に残った作品を書き連ねました。

 

2019年も色んな作品に出会いたいです。

 

そして「面白い」と思った作品はちゃんと記事にしていきたいなぁと。

 

 

ここまで読んで下さった方、お付き合いありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

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