レビュメモ!

映画・舞台・本のレビュー。ネタバレありの時はその旨表記します。映画と漫画と美味しいものがあれば大体しあわせ。

不思議と可愛い殺し屋おっさん兄弟「ゴールデン・リバー」ネタバレなし→ネタバレあり感想

ちょこちょことまた記事を投稿していきたいと思います。

短くても備忘録的に書いていきたい所存。

https://eiga.k-img.com/images/movie/89006/photo/3db0585e55680f91.jpg?1553042202

2018年/アメリカ・フランス・ルーマニア・スペイン合作/120分/PG12/ジョン・C・ライリー/ホアキン・フェニックス/ジェイク・ギレンホール/リズ・アーメッド/80点

 

ーあらすじー

ゴールドラッシュに沸く1851年、最強と呼ばれる殺し屋兄弟の兄イーライと弟チャーリーは、政府からの内密の依頼を受けて、黄金を探す化学式を発見したという化学者を追うことになる。政府との連絡係を務める男とともに化学者を追う兄弟だったが、ともに黄金に魅せられた男たちは、成り行きから手を組むことに。しかし、本来は組むはずのなかった4人が行動をともにしたことから、それぞれの思惑が交錯し、疑惑や友情などさまざまな感情が入り乱れていく。

映画.comより

 

 

ざっくり感想

男ってヤツはいくつになっても…(微笑)

ジョン・C・ライリーの歯磨きにキュン

クライム/ミステリー というより 兄弟愛/友情 な映画

殺し屋なおっさんでも兄弟は兄弟で母親は母親であるんだなぁ

 

 

 

あらすじにあるように、物語の2/3は「壮大な夢を叶えんとする科学者とその夢に乗っかり組織を裏切った連絡係」を「最強と呼ばれる殺し屋兄弟・イーライとチャーリー」が追いかける内容。

兄弟は最強ですが、ガンアクションはカッコいいというより泥くさい感じででもちゃんと強くてそれが良かった。

 

兄イーライは当時珍しい歯ブラシと歯磨き粉を手に入れぎこちなく歯磨きしたり、娼婦に手を出すでもなくショールを渡し「このショールを宝物を渡すように俺に渡してくれ、感情を込めて」と頼んで後日それをクンクン匂い嗅いだり暴走する弟を何だかんだ放っておけない優しいお兄ちゃん(まとまった金があれば殺し屋から足を洗いたいと考えてる)

弟チャーリーは殺しという仕事にプライドを持っている、暴走しがちで記憶をなくすまで酒を飲む困った弟。兄弟は喧嘩もするけれど、弟も何だかんだ体調不良起こした兄を気遣ったり協力しあって「最強の殺し屋兄弟」の看板を張ってます。

チャーリーは少年時代、飲んだくれで最低だった父を殺しておりそれをきっかけに狂暴化。イーライは「兄である俺が父を殺すべきだった」という負い目もあります。

 

兄弟ならではの遠慮のなさや雑さ、敵は容赦なく殺すけど初めての水洗トイレにはしゃいだり憎めない可愛さのある「シスターズブラザーズ」。

それほど派手な展開がある訳でもなく兄弟のロードムービー的な雰囲気が強いので「西部劇!」「派手なガンアクション!」「ミステリー!」を期待して観に行ったら「あれれ~?」となる気がします。

 

組織の連絡係であるジョンは黄金を探す化学式を持つ科学者ハーマンを捉えて兄弟に引き渡す手筈でしたが、ハーマンの夢・理想(黄金を探し出し私腹を肥やすのではなく皆が平等な理想郷を作りたい)を聞くうちに手を組み黄金を探す旅に同行することになり、2人まとめて兄弟に追われる身になる訳ですが、この辺りは兄弟の描き方と比べてあっさりしています。でもジョンが自分の正体を隠してハーマンと仲良くなる過程で「この2人は根っこの部分が似てるんだろうな」と思える部分もあり共鳴しているんだろうなぁ友情だなぁと自己補完。

この2人もキャスティング合ってて良かった。

 

 

 

 

 

以下、ネタバレあり感想

 

 

 

 

 

 

 

 

夢に目がくらむというより金に我を忘れて大変なことになってしまった4人の男


どうにかこうにか、兄弟は連絡係ジョンと科学者ハーマンを見つけ出します。

すったもんだで兄弟の方が捕らわれてしまいますが、別勢力に襲われ、対抗する為に兄弟の拘束をほどき4人で応戦。

4人で暮らすようになり打ち解けてきて、川の底の黄金探しも共に行うことに。

ジョンが作った溶液は便利(川に流すと底にある黄金が輝くので短時間で間違いなく黄金を採ることができる)ですが、人体に悪く触れると火傷のような傷を負ってしまうので、長時間は川に入らず川から上がった際はまた別の液(?)を体にバシャバシャ塗布しなければいけません。

川に入る前にその話もちゃんとしていたんですが、夜の闇の中、川底に光り輝く黄金にテンションあがりまくる4人は夢中です。

時間とともに液が薄まり、黄金の輝きが鈍くなると「やっぱりお前か!」なチャーリーが溶液を多量に川に投入しようとし缶ごとドボンしてしまいます。

止めようとしたジョンが川にハマり大惨事。それを助けようとしたハーマンも同様。

チャーリーは原液が腕にかかり阿鼻叫喚の地獄絵図です。

 

 

 

…そして、朝を迎え。

川には死んだ魚が大量に浮かび、瀕死の重傷を負ったジョンとハーマーは手当も空しく亡くなってしまいます。

イーライはチャーリーを病院に連れていきますが、原液のかかった右腕は切断されてしまいます。

そんな中、兄弟を追う組織の仲間もやってきてピンチに陥りますが流石のイーライは一人で撃退。

組織のボスである提督を倒さないと平穏はないと判断した兄弟は提督を殺す為にオレゴンへ。

しかしたどり着いたオレゴンで、提督はすでに亡くなっていたのです…。えぇぇ…。

 

 

 

「この話どうオチをつけるんだろう」と思いながら観てたんですが、兄弟は母の待つ故郷へ帰ります。

母は老いてはいますが元気そうで、戻ってきた兄弟に料理をふるまい、右腕をなくしたチャーリーの風呂の世話もしてくれます。

こじんまりとした、質素ではあるけれど温かみのある実家のベッドで、窓からの木漏れ日とそよ風を感じながらハーマンは穏やかな眠りに落ちていきました…とさ。

 

 

 

 

「ゴールデンリバー」あんま関係ねぇ!!!!!!!!

 

 

 

 

邦題とポスターのコピーからはだいぶ印象が違う。

4人の男達のわちゃわちゃが楽しく、最強の殺し屋兄弟が思いがけず可愛らしく憎めなく、個人的には良い意味で裏切られた「兄弟の物語」な映画でした。

 

ジョン・C・ライリーにひたすらキュン。

 

 

 

 

 

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