レビュメモ!

映画・舞台・本のレビュー。ネタバレありの時はその旨表記します。映画と漫画と美味しいものがあれば大体しあわせ。

僕が僕であるために、「君が君で君だ」ネタバレあり・ネタバレなし感想

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 2018年/日本/104分/池松壮亮/キム・コッピ/満島真之介/大倉孝二/高杉真宙/79

 

あらすじ

大好きな女の子の好きな男になりきり、自分の名前すら捨て去った10年間。

彼女のあとをつけて、こっそり写真を撮る。彼女と同じ時間に同じ食べものを食べる。向かい合うアパートの一室に身を潜め、決して、彼女にその存在をバレることもなく暮らしてきた。しかし、そんなある日、彼女への借金の取り立てが突如彼らの前に現れ、3人の歯車が狂い出し、物語は大いなる騒動へと発展していくーー

ー公式サイトよりー

 

 

 

ざっくり感想

 

すごい熱量すごい演技

池松壮亮やばい

これ純愛って言っちゃダメなやつ

ヒロイン逃げて

愛…とは…

 

 

 

 

ネタバレなし感想

 

池松壮亮(尾崎豊)、キム・コッピ(姫)、満島真之介(ブラピ)、大倉孝二(坂本龍馬)、高杉真宙(王子)

という世界観でお送りする作品です。

この配役設定の字面だけで笑えるのズルい。

 

 

事の始まりは10年前

彼女にフラれた男(後のブラピ)とその友人(後の尾崎豊)がカラオケに行き、尾崎豊の「僕が僕であるために」や「手のひらを太陽に」をヤケクソ熱唱していた所へドリンクを持ってきたカラオケ店員のソンさん(後の姫)。

ソンさんに「可愛いっすね!」と絡むフラれ男。

カラオケ店を出た2人は偶然、柄の悪いグループに絡まれ困っているソンさんを助け、代わりにボコられる。

ソンさんはボコられた2人にハンカチを差し出し血を拭ってくれ、ボロボロになったフラれ男のTシャツに「HERO」と書かれているのを見て「ヒーローって!」と笑う。そして片言の日本語で「さっきカラオケで歌っていた曲はなに?」と聞き、「尾崎豊です」との答えを聞き笑顔。尾崎豊の曲を気に入った様子。

2人の男はそんなソンさんに恋に落ちーーーーーーーー。

 

という感じに物語は始まります。

CDショップでソンさんと友人の会話から「歌は尾崎豊、顔はブラピ、性格や考え方は坂本龍馬が好き」という情報を得、ソンさんにつきまとう元彼(後の坂本龍馬)を加えた3人の男は彼女を「姫」と呼び、向かい合うアパートに暮らし姫の「騎士」として「彼女を守る国」を作り日々を送るようになるのですが、上のあらすじで書いてある隠し撮り以外にも盗聴とか彼女が捨てたゴミの収集だとかヤバいことを色々やっています。

 

部屋の壁のいたるところに写真を貼り、「ベストオブ2015年」や「ベストオブ2016年」はいい位置に装飾付きで飾ってたり拾ってきたゴミも飾ったり。

盗聴してるし買い物の中身をチェックしているので、彼女と同じタイミングで同じものを食べたり同じタイミングでトイレに行ったり。

でも決して干渉はせず、姫のリアル彼氏のことを「王子」と呼び、王子が姫を泣かせたり借金払わせたりしても見ているだけで助けません。

 

不干渉を徹底していましたがある日、姫の彼氏(王子)の借金取り立てにやってきた星野(YOU)とその子分の友枝(向井理)があまりに激しく取り立てるため、思わず龍馬は姫の部屋へカップ麺の空きカップを投げ妨害しようとします。

慌てて身を隠そうとするも星野と友枝、さらには王子までもが3人の「国」にやってきてしまい、少しずつ「姫を守る国」は崩れていきます。

 

 

全てを受け入れる傍観者、見ているだけの「騎士」

姫が黒髪から茶髪になり、服装が派手になり生活が乱れていったりヒモ彼氏にいいようにされて泣かされたりしても騎士である3人は「そんな姫が可愛い、愛しい」と全てを受け入れ見守ります。見守るというか見てるだけなのですが。

姫の写真や姫の捨てたゴミを拾って飾りつけている「国」に無理やり入国した星野と友枝はもちろん彼らを利用して姫の彼氏=王子が作った借金を払わせようとします。

姫を苦しめる王子(名前は宗太)がやってきても「王子に直々にご足労頂きありがとうございます!!」と崇める姿勢。

王子はクズなので「あんなブスのどこがいいんすか?」「あいつ脇くさいっすよ?」とか酷いこと言いますがやっぱり「そこがいいんです!」というスタンスの3人。

更に友枝に「ほかに金目のものないのかよ」と言われた王子に「指輪があります」と姫が王子に内緒で買った指輪の存在を教え、隠し場所まで教える始末。

王子は喜び部屋に戻り、「いつか宗太と結婚したくてお金を貯めて買ったの!」と泣きながら縋る姫から指輪を強奪します。

騎士たち姫を全然守っていない。

せめて指輪の場所教えるのは止めてあげて姫めっちゃかわいそう。

 

どんな姫も受け入れる、全てを受け入れる=深い愛、ともいえるけど、とても近い距離にいるのにけっこう激動な姫の10年間の人生を画面越しのフィクションのようにはしゃぎながら見てるだけの騎士3人はすごく楽しそうで。

 

この国を守りたい

見てるだけだから傷つかない

 

姫が二次元キャラだったり物理的にも手の届かない人気アイドルとかであれば騎士達はすごく理想的なファンだと思うんですが(推しキャラや推しアイドルが変なイメチェンや迷走したり恋愛絡みの嫌な感じのスキャンダルを起こしても推しとその相手どちらを恨むでもなく受け入れて推し続けるスタンス)この作品の姫は道路挟んだアパートに住むご近所の普通の女の子なので…。

 

 

 

映画のコピー「純情か異常か」の感じ方の分かれ目は

ざっくり分けると

騎士に感情移入→純情成分多め

姫に感情移入→ほぼ異常成分

になるのではと思います。

好きな人が今何をしてるか知りたいとか同じものを食べたいとか「わかるー!」と思う部分もあれば「それはやり過ぎ」と思う部分もあり。

あとは、フィクションだと割り切って「ありえない話で面白い。騎士憎めない」とみるか「部分的にでもありうる話で笑えない。姫かわいそう」とみるかは人それぞれかと。

 

 ちなみに私は「姫逃げて」派で騎士3人はとんでも迷惑野郎なのにポスターがめっちゃ笑顔で爽やか風なのがイラッとくるほどですが、映画そのものは面白かったと思うというジレンマを抱えてます。面白かったし観てよかったと思ったんですよ。

 

でもストーカー被害に遭ったことがある人は観ない方が良い気がします。

 

 

 

 姫の絶妙な可愛さ

姫は可愛いけど、顔がすごく整ってるとか美少女とかいう容姿ではなく、笑顔がクシャっとして絶妙な可愛さがあり、そんな姫に熱狂している騎士3人はこう、「そこまで可愛くない地下アイドルに熱狂的に入れ込むファン」的な雰囲気があります。

でもファンは本当に心から推しを可愛いと思っているし、普通に恋愛でも恋人や好きな人のことを盲目的に見てしまうことってあるのでこの絶妙な可愛さは良いなと思いました。

騎士たちがたまに「姫を讃える舞」「姫の無事を祈る舞」みたいな変な祈祷ダンスみたいなのをするんですが気持ち悪さと意味のわからなさが面白怖い。

 

 

王子のクズさと顔の良さ

王子(高杉真宙)の顔がいい。王子って呼んじゃうのわかる。

そしてすごく自然にクズ。

池松壮亮とキム・コッピの演技さすがだったのですが高杉真宙のクズ王子もすごくよかったです本当にクズな男のよう。

最初は騎士達に「王子!」と崇められてましたが姫に結婚しようと言われるも断り、騎士達に「お前もソンの国で暮らせぇぇ!」と首輪を着けられ姫が現在好きな?「羽生結弦になれぇぇ!」と迫られたりします。

 

裏設定でこの映画の舞台は福岡らしく、何気に博多弁台詞が多いのですが池松壮亮と高杉真宙、また監督が福岡出身ということで自然でした。

 

 

 

常識人な借金取り

星野と友枝は宗太の借金を返させる為、ソンさん(姫)をピンサロで働かせたりすぐに宗太や騎士たちを殴ったりするけど、姫を守る国=部屋や姫の好みの男になりきる騎士たちを見て「ストーカーじゃん」「この国でなにを守ってんの?」「守ってんのはあの子じゃなくてあの部屋でしょ?もう気持ちなんてないでしょ?」「どんな家庭で育ったらそうなるんだよ?」と、ズバズバと突っ込んで観客の気持ちを代弁してくれます。

ブラピと龍馬は核心を突かれるとオドオドしますが、尾崎はブレません。

 

 

尾崎=池松壮亮がひたすらスゴくてヤバい

語彙力が塵で恥ずかしいのですがそうとしか。

特に後半の狂気染みた演技が恐ろしい。

もし池松壮亮が出ていなかったら作品自体の印象や評価がガラッと変わる気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 以下、ネタバレあり感想

 

 

 

 

 

 

「ガチ恋」「ガチオタ」オタクのスタンスそれぞれ

王子の借金を返すためにピンサロよりヤバめな風俗店で働くことになりいいよいよ心身ともにボロボロになってきた姫。

風俗店HPに「マッコリちゃん」として写真付きで紹介されたり下着に近いような恰好で家出をし外を裸足で彷徨ったり本格的にやばくなってきました。

姫の騎士3人は一見同じに見えて微妙にスタンスが違い坂本龍馬は「ガチ恋」、ブラピは「ガチオタ」、尾崎豊は「マジキチ」かなぁと思うのですが、姫の元彼でガチ恋な龍馬は部屋(国)で首輪を嵌めており、王子に首輪を着け国の仲間に加えようとした時に「この鎖を外しても坂本龍馬でいられるか?」と確認されてからその首輪を外されます。借金の取立てが激しい時にカップ麺を投げつけたり、姫に干渉しようとしてしまう。

龍馬とブラピは家出した姫を必死に探しますが、尾崎だけ王子と友枝と共に部屋に残ります。

 

龍馬は姫を見つけるとタガが外れてしまい「ソン、好きだー!」と抱き着いてしまいますが「(愛が)重い!」とやっぱりフラれてしまいます。

 

 

 

「どんな愛され方したら」

国(部屋)に残った尾崎は、白の女性用下着(ブラとショーツ)を身につけます。

そんな尾崎に友枝は「お前の本当の名前は?」と尋ねますが尾崎は「尾崎豊です。(本当の名前は)棄てました」と答えます。

 

友枝「(親が)名前を悩んでつけて、愛して、どんな育てられ方したらそんなになるんだよ」←ごもっとも。

 

更に尾崎は「姫…姫…姫…」と目を閉じ唱え、姫を讃えるのか守るだかの舞を始め、姫憑依状態になります。

 

王子に向き合い「なんで指輪売ったの王子ぃー」「結婚したかったのに」「その為にお金貯めてたのに」と笑いながら迫る尾崎。

鎖に繋がれ逃げられない王子は「何も知らんかろうが!決めつけんな!」とキレ、姫と王子の出会いからの回想シーンが流れます。

駐車場バイトで知り合った王子(宗太)と姫(ソンさん)。

最初は宗太は優しくて、不慣れなソンさんをフォローしてくれたり「今はまだまだだけど、いつか自分が作った音楽で人を救いたいと思ってます」と夢を語ったりしていました。

二人は付き合うようになり、ソンさんは「私が昼は駐車場、夜は韓国キャバクラで働くから、宗太はバイト辞めて音楽の練習して!」と宗太に尽くし支える宣言し、宗太は戸惑いながらもそれを受け入れ、段々ダメになっていってしまったようです。

 

「(姫が、私が)黒髪が気に入ってたけど茶髪にした!」「(姫が、私が)結婚したくてお金を貯めるためにいつもカップラーメンを食べてる!」「(姫が、私が)今なにが好きで何を考えてるかわかる?」と姫憑依状態になった尾崎が本当にやばい。

 

王子もキレて「お前そんなんじゃなかったやろ!」と返しますが尾崎は「そりゃ変わりますよ」「変わってく姫ぜんぶ覗いてきたんですよ」「姫の気持ちわかるもん」「お前何なん、傍におるだけか!」と何だか良い感じのことを言って怯みません。

が、また友枝が「お前傍にすらいねーじゃねーか」と的確すぎることを言います。

 

 

 

姫、限界

さまよい歩いていた姫は部屋に戻りますが、極限に達したらしく尾崎豊の歌を口ずさみながら首吊り自殺をしようとします。

尾崎はそれを「姫の決意を見届けよう。首を吊る姫も可愛い」とブレずに傍観。動揺するブラピと姫を助けようとする王子と龍馬。2人は姫を助けに行こうとしますが王子は首輪に繋がれてて部屋から出れないし龍馬は尾崎に「私は抱きしめられないけどあなたは抱きしめる程度でしょ」とアパートの窓から突き落とされます。もう尾崎が何しても驚かないんだからね、という境地。

どうなることかと思いましたがやっぱり一番常識人な友枝が姫を助けます良かった。

 

 

 尾崎の何がどうしてこうなったのか語られない

尾崎とブラピは高校時代からの友人のようで、作中で高校時代の映像(ブラピが高校の制服姿の尾崎をカメラで撮り「10年後の自分へ」的なビデオレター作っている)が流れるのですが、尾崎が本当普通の高校生ぽくて、照れ笑いしながら「(10年後は)可愛い彼女を作りたい」とか言っていて「尾崎お前どうして10年後こうなった…」と脱力しました。

作中でも高校時代の映像以外では尾崎の生い立ちとか語られません。

尾崎はひまわり畑でピンクのお姫様ドレス姿の姫と「僕が僕であるために」をデュエットしながら踊る妄想をします。

クライマックスで姫のドレスは白のウェディングドレスに変わり、二人は笑顔で向き合うのですが…。

 

 

 

姫、国に降り立つ

首を吊るも友枝に助けられ病院で目を覚まし宗太のことを訪ねる姫に、友枝は「あのストーカーの家」と答えます。

思い当たる節がありまくりな姫。

向かいのアパート、段ボールが貼りめぐらされ中が一切見えない一室。

学生時代、レポートを仕上げて思わず「終わった!」と言った時に聞こえてきた拍手、母の葬式から戻った日、聞こえてきた「僕が僕であるために」の合唱…。

なんだかんだ向いのアパートでわちゃわちゃしていたので姫に感づかれ、病院を出た姫はとうとう国に降り立とうとします。

 

アパートの下、電信柱の影から国を見上げる姫を発見し尾崎は「結婚式の準備するぞ!」と白いドレスを準備します。

 

「ソンの国」にやってきた姫が見たものはおびただしい量の自分の写真10年分。

飾られている、おそらく自分が捨てたゴミ。

これは何なの、と衝撃を受けている姫に「ここは姫を守る国です」と答える尾崎に当然ですが姫はキレます。

「ここで、私見てた?」「私を、私の何を?」

尾崎はいびつな手作りウェディングドレスを差し出し

 

「(君は)ひまわり畑みたいだったんですね、僕らのひまわりだったんですね」

 

と、また何か良い台詞っぽいことを述べますが姫は

「こんなので喜ぶと思う?最低、カス!」

とドレスを床に叩き落とし、隠し撮りされた自分の写真を見て

「これ誰?誰?」

と半狂乱です。

 

しかしブレない尾崎は「(君の)ロングヘアー、好きですね私は。色が変わっても何色に染まっても、変わらないサラサラのロングヘアー、ずっと似合ってると思ってますね」と悪気ない感じで神経逆撫ですることを言います。

姫は目についたハサミでザックザックと髪を切り、「これでも好きですか?」と言い放ち部屋を出ます。

 

 

「姫の気持ち受け止めたいもん」

姫が去った部屋で、尾崎は「よし、食べよう」と姫が切った髪を丼に拾い集めて食べはじめます。ドン引きなプラピに「塩かけんなよ。姫そのまま食べよう」と髪の毛モシャモシャ食べながら注意する尾崎。

口に入れるも吐き出してしまいどうしても食べられないプラピは半泣きになり「どうでもいい、全部どうでもいい。俺やめるわ、お疲れ」と騎士引退を表明。尾崎は軽く「お疲れ」と返します。

 

そして尾崎だけが残りました。

 

 

 

国の崩壊、外の世界へ

尾崎に突き落とされた龍馬と、キレた姫にハサミを背中に突き刺された王子は同じ病室に入院。

騎士団解散と王子に聞き、動揺しベッドから転落する龍馬。そんな龍馬に看護士から「田辺さん大丈夫ですか?体調はどうですか?」と声をかけられ「…少し切ないです」と答えじわじわと涙が溢れ号泣する龍馬改め田辺。

姫はさすがに同情してくれたのか何だかとても親切になった星野に友枝の運転する車に乗せられ「もういい、大丈夫だから」と抱きしめられます。

尾崎は髪の毛を食べていましたが、突然姫を追おうとしすごい力で首輪が繋がれた柱ごと破壊し部屋を飛び出します。勢い余ってアパートの階段を頭から滑り落ちますが平気です。全速力で走ります。

後半の尾崎は下手なホラーより怖いです。

 

 

 

「僕は…僕です」

夜明けの海を眺める姫の傍に、首輪をつけたままひまわりを持った尾崎が現れます。

おはようございますと挨拶を交わし、「パクヨンソンです」と名乗る姫に「僕は…僕です」と尾崎。

 

「今のこの感情が何なのかよくわからないんですけど…でもひとつだけ…あなたは私の太陽なんです、いつもありがとう。カムサムニダ」

 

相変わらず良い感じの台詞を吐き姫にひまわりを渡しますが、また「ふざけんな‼」とキレられ殴られます。デスヨネ!

 

殴られ膝をついた尾崎に「好きなことしていいよ!してよ‼」と更に言い募る姫。尾崎は目の前にある姫の太ももに指先だけで触れ、逃げるように海へダイブしひまわりをムッシャー食べます。食べます。

 

姫=ひまわりなので…うん、わかるよわかるけどホント尾崎は拗らせてるなぁ…‼

 

ちなみにそんな尾崎を車から見ていた星野と友枝は大笑いをしていました。ここもブレない。

 

 

僕が僕であるために、君が君で君だ

「ソンの国」がなくなり、尾崎とブラピは部屋から家財道具を運び出し引っ越し作業を進めます。

尾崎に「免許取った方がいいよ、身分証明にもなるし」とまともなことを言い荷物を積んだ軽トラックで去っていくブラピ。

姫も今日帰国するとのこと。

ブラピと別れた尾崎はタクシーに乗り、「急げよ‼大事な人が待ってんだよ‼信号赤でもいいから‼」と運転手を脅す勢いで空港に急ぎます。

 

駆けつけた空港にはブラピや龍馬、王子など揃っており、皆で「姫ー!姫ー‼」と姫を探します。

「姫」という言葉に反応した子どもやCA、そのうち空港中を巻き込んで姫探しするも「釜山行き最終案内が終了しました」とアナウンスが流れうなだれる尾崎。

そんな尾崎に「全然間に合ってないから。ココ通るの40分も前だから」と声がかかります。

顔を上げるとボブヘアーの姫。

「この人が姫?」と尾崎に確認する感じの子どもたち。

「姫じゃないし。私はそんなにキレイじゃない」と変顔する姫に

「知ってる。キレイじゃないとこも。でも君は君です」と笑顔の尾崎。

なんだか良い雰囲気です。

 

姫「干渉しないんじゃないの?」

尾崎「干渉します。あなたが好きです」

姫「パクヨンソンです」

尾崎「志村です。僕の名前は志村光男です」

 

自己紹介をして抱き合う二人。

何かわかんないけど上手くいったみたいでめでたい!と大盛り上がりな空港は大喝采。

二人を囲む人の輪から少し離れた場所にいる尾崎も浮かれてツイストみたいなダンスを踊りまさに大団円…。

 

 

 

 

 

あれ…?

 

 

 

「着きましたよ」とタクシー運転手に声をかけられ、穏やかに精算する尾崎。

「何処に行くとですか?」と問われ「韓国です」と答える尾崎。

「あ、お釣り大丈夫です」と気前の良い尾崎。

運転手に笑顔を向け、尾崎は空港に入っていきました。

 

 

 

 

 

 

 

……

見終わって思ったことは「姫、逃げて…」でした。

尾崎、韓国で姫を見つけてもちゃんと名乗って好きとか言えなさそうだし、仮にそう出来たとしても追いかけてこられたというだけで姫にとっては恐怖でしょう。

作中の尾崎の台詞がやけに詩的でそこだけ切り取ると一途な純愛風名台詞なのがまた困るというか。

 

姫を全肯定するのも姫が全てである「僕が僕であるために」であるように思え…しかし多かれ少なかれ誰しもそんな部分はあるといえる気も……まぁ、正しい形や答はないんだろうな‼と自分の中で結論付けました。

 

 

 

「好きな映画」とは思えなかったけど嫌いではない、「観て良かったな」と思った「印象に残る映画」でした。

 

 

 

 

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