もう2022年1月も下旬ですが2021年12月に観た映画まとめ。
12月は面白い映画が多かったです!
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2021年12月面白かった映画
ベイビーわるきゅーれ
2021年製作/95分/PG12/日本
※以下、2021年面白かった映画13本+αから引用
女子高生2人組の殺し屋・ちさととまひろは高校卒業を機に所属する組織から表の顔として一般人として社会に出て働くように命じられる。
組織の寮(寮があるんだ…)から強制的に追い出され2人でルームシェアをすることになり仲良くおでんを食べたり喧嘩をしたりメイド喫茶でバイトしたり殺し屋家業に精を出したりヤクザ集団とやりあったりする青春バイオレンスアクションストーリー。
下手に勧善懲悪ストーリーにせずビジネスライクに殺人をこなす2人のゆるゆるの日常パートもキレッキレのアクションも楽しい。
「野原ひろしの言ってない名言で説教してくる奴にイラッ」とするのわかるし、アクションもありえない怪力とかではなく「ちゃんと鍛えて訓練した女子が的確なスキルを持って人を殺しにかかっている」のが良かったです。
バイト先の先輩メイドさんが「コンビニでご飯を買うのに1000円以上お金を使うなんて金持ちやん!」と言って100円くらいの大きさはある菓子パンを食べてたりリアリティのある部分と凄腕の殺し屋アクションとの緩急のつけかたが絶妙でした。
続編決定らしいので楽しみ!
偶然と想像
2021年製作/121分/PG12/日本
※以下、2021年面白かった映画13本+αから引用
「ドライブ・マイ・カー」で改めて注目された濱口竜介監督の短編オムニバス3本。
台詞・言葉・リズムが独特で演劇的なのは「ドライブ・マイ・カー」と共通していますがこちらはより顕著でコント的でもある。
親友の彼氏が自分の元彼だと知ってしまう「魔法(よりもっと不確か)」
セックスフレンドから大学教授に色仕掛けをするよう頼まれる「扉は開けたままで」
高校の同級生と再会するも実は…な「もう一度」
1本目と2本目も面白かったけど3本目の「もう一度」がとても好き。
ドント・ルック・アップ
2021年製作/145分/PG12/アメリカ
※以下、2021年面白かった映画13本+αから引用
地球(人類)の終わりをブラックコメディで描くSF悲喜劇。
半年後に彗星が地球に衝突することがわかり彗星を発見した女子学生とその師である天文学者がアメリカ大統領に直訴するも本気にされず人気TV番組に出演し視聴者に訴えようとするも真剣になるほど引かれ揶揄され、どうにか大統領に信じてもらうも選挙の支持率アップの為に利用されそれでも危機を免れるなら…と思っていたら大統領のパトロン的な人物(スマートフォン会社のCEO)の鶴の一声「彗星にはレアアースなどの資源が潤沢だからスペースシャトルと衝突させて軌道を逸らすのではなく自社のドローンを使って採掘しよう!」で無謀な計画に任せざるを得なくなる…といういつかこんな嫌な未来ありえそう、なお話。
ネット上で「そもそも衝突する彗星なんて存在しない。陰謀論だ」「いや彗星は衝突する」と議論が巻き起こったりにギリギリになるまで「まさか人類滅亡なんてwww」というノリな大衆や彗星の軌道を逸らそう大作戦を世界に発表する時に花火をドンドコ打ち上げたりと、純粋な笑いではなく「笑うしかないな☆」という気持ちで観ていました。
でも実際今の状況だったら地球が危機的状況に陥っても「アルマゲドン」的な展開になるよりも今作のような結果になりそうだなとも思います。
最後の最後のオチも人間がとても愚かで笑うしかないな☆でした。
劇場版 呪術廻戦0
2021年製作/105分/G/日本
あらすじ
幼い頃、結婚の約束をした少女・折本里香を交通事故により目の前で亡くした乙骨憂太。
里香は呪い(呪霊)と化し乙骨に憑りつき彼を傷つける者を攻撃するようになる。
思い悩む乙骨は呪霊を祓う呪術師を育成する教育機関・呪術高専の教師であり最強の呪術師である五条悟に導かれ同校に入学。
同級生たちと共に呪術師として歩みながら里香の呪いを解くことを決意する。
…という「愛と呪いの物語」です。
原作漫画の本編連載前の短期集中連載(「呪術廻戦0東京都立呪術高等専門学校」)を元に映画化したものなので本編を読まず・アニメを見ずとも楽しめる・世界観が理解できる作りになっています。
もともと好きな歴史上の人物が菅原道真だったり私の中の厨ニが呪いがどうこうとか好物なので原作・アニメともに履修済みなうえに里香ちゃんは作中で5本の指に入る大好きなキャラなので映画化を楽しみにしていたし実際期待外れになることもなくとても楽しんで観れました。里香ちゃん可愛い呪霊姿も愛しい。
絵も綺麗だし戦闘シーンも迫力があり、乙骨・里香・五条・その適役の夏油はもちろん同級生3人の見せ場もちゃんとあってよかったです。
戦闘シーンの音楽も好き。
短期連載を1本の映画にまとめたことでメインの百鬼夜行に至るまでにあからさまな場面転換があることで若干テンポがよくないかなと思った部分があったのと里香ちゃんが憂太への思いを大爆発させるシーンはもうちょっと派手でもいいかなと感じたくらいで他は大満足でした。
百鬼夜行にいただろうけれど本編では出てこなかったキャラクターもたくさん出てきたしそのキャラの見せ場もあったりして原作ファンも楽しめるようになっていたのも良かったです。
パワー・オブ・ザ・ドッグ
2021年製作/128分/G/イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・アメリカ合作
※以下、2021年面白かった映画13本+αから引用
大牧場主のフィルは男くさい西部男。
弟のジョージがレストランの女主人・ローズと結婚するがフィルはローズとその息子・ピーターにつらく当たる…。
というストーリーなのですが、観ていて展開が読めないというかどういう風にこの話進んでいくの?と思いながら観ていました。すごく淡々…淡…々…と進んでいきます。
じわじわと伏線が張られていき終盤で「あーあーあーそういうことねハイハイハイ!」と納得するタイプの作品。
タイトルの「パワー・オブ・ザ・ドッグ」は聖書に出てくる言葉で(犬=邪悪)ということらしいのですがまぁ登場人物の中で明らかに性格が悪いというか屈折しているのはフィルです。
フィルは嫌な奴だけど憎み切れない部分もありベネディクト・カンバーバッチが不思議に魅力的に演じていました。
何気に弟のジョージも無責任で頼りないんですがそこはいいの…?とちょっと思ったり。
「男らしさ」「強さ」とはどういうことを言うのだろう。
ちょっと分かりづらいしやはり好みという訳ではないのですがよく出来ているなぁと思いました。
ラストナイト・イン・ソーホー
2021年製作/115分/R15+/イギリス
あらすじ
ファッションデザイナーを夢見て田舎からロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学したエロイーズ。
周囲に馴染めず寮を出て一人暮らしを始めるが、その部屋で不思議な夢をみるようになる。
夢の中はエロイーズが憧れる1960年代のソーホー。そこで歌手を夢見る美しい女性・サンディに出会いエロイーズは毎夜夢の中で彼女を追いかけるようになる。
体も心もサンディにシンクロしていきエロイーズは充実した毎日を送るようになるがサンディは次第に夢破れていきある夜殺されてしまう…。
というタイムリープ?ホラーというエンタメに男性に搾取される女性という重いテーマを重くなり過ぎない程度に絡めた作品。
冒頭から1960年代の音楽、ファッション、エロイーズの可愛らしさ満開で耳にも目にも楽しいんですがエロイーズがサンディと同化・シンクロしていくことでホラー・サスペンス要素が加わっていき見応えもありました。
最強殺し屋伝説国岡【完全版】
2021年製作/93分/G/日本
あらすじ
殺し屋女子2人の映画「ベイビーわるきゅーれ」のシナリオ作りの参考の為、阪本監督は京都最強と呼ばれるフリーの殺し屋・国岡昌幸に密着取材をすることになり…というフェイクドキュメンタリー。
あからさまにフェイクなのでツッコみどころ満載というかツッコみしかないしツッコませようと作っている。
クライアントに無茶ぶりされて「裁判起こすぞ!」と揉めたり昔気質の先輩殺し屋にウザ絡みをされたり殺し屋家業も楽ではないんだな…と。
ベースはよく出来たB級映画なのにアクションシーンはキレッキレなのでその落差も楽しめました。
その他に観た映画いくつか補足
キングスマン ファースト・エージェント
2021年製作/131分/アメリカ
世界最強のスパイ組織「キングスマン」の誕生秘話。
キングスマンならではのスタイリッシュアクション5割と本格的な戦争映画5割。
戦争描写シーンは「1917 命をかけた伝令」「彼らは生きていた」を思い浮かべるほどでした。
アクションと戦争どちらもきちんと描いているので観ている間の感情のふり幅が激しすぎたのとどちらかというと戦争描写でしょんぼりした気持ちの方が勝ってしまったので観終わった後に微妙な気持ちになってしまった次第。
ヴェノム レッド・ビア・ビー・カーネイジ
2021年製作/98分/G/アメリカ
ヴェノムが元気にエディと仲良く喧嘩していて楽しそうで何よりでした。
MANKAI MOVIE A3! SPRING&SUMMER
2021年製作/G/日本
イケメン役者育成ゲーム「A3!」の実写映画化ですがリアルに寄せるのではなく元のキャラクターに寄せた2.5次元作品。
借金まみれの潰れかけ劇団を「監督」として彼らと共に立て直していくストーリーで、スクリーンに映る彼らに「監督!」と呼びかけられたりします。
私は元のゲームは気になりつつもプレイはしておらず、舞台版をライブビューイングや配信で観た程度ですが2.5次元にだいぶ慣れたので元キャラに寄せたビジュアルもすんなり受け入れられましたが(最近は街中でもピンク髪や青髪の子もいますし)元ゲームや2.5次元の予備知識が全くないと戸惑うかもしれません。
漫画「ガラスの仮面」「推しの子」みたいな演劇要素も好きなので劇中劇がたくさん出てくるのもすごく楽しかったです。
115分という短い時間で10人のキャラクターを深く掘り下げるのは難しくサラリとした描かれ方だったので映画から入って気になるキャラがいたらゲームなり舞台版なりアニメなりに手を伸ばしていくのも良いかもしれません。
悪なき殺人
2019年製作/116分/R15+/フランス・ドイツ合作
「バタフライ効果」的に遠く離れた国でのあることが巡り巡って悲劇を引き起こす…伏線が張り巡らされた作品。
何気にお婆さんが言った「夫婦仲が良ければ問題は起きない」というのが本当に的を得ていました。
マトリックス レザレクションズ
2021年製作/148分/G/アメリカ
全然面白くないという訳ではないんだけど見ながら「『マトリックス(1作目)』は面白かったな…」と思いを馳せてしまったので私の中では成功ではなかったんだなと思いました。
メタ的な笑いも少しならいいけど狙い過ぎるとちょっとなぁ…。
ヒット作の続編は難しいですね。
ともあれ全体的に面白い作品が多く豊作の12月でした。
1月も面白い映画に出会えますように!