今更ですが「刀剣乱舞~結びの響き、始まりの音~」の感想をアップします。
書いてはいたのですがタイミングを逃していました…。
どういう立ち位置で見るかによって感想も変わると思うので↓
刀剣乱舞は2016年3月開始のpocket審神者Lv185で初期刀は山姥切国広。
そこそこ頑張ってるか…な…?という審神者です。
山姥切国広、三日月宗近、太郎太刀、厚藤四郎、源氏兄弟、謙信景光を推しつつ基本DD(誰でも大好き)です。
ライブビューイングやDVDではありますがこれまでの刀ミュ・真剣乱舞祭は全て鑑賞しています。
物語パートについて、ネタバレありというかネタバレを気にせず書きますのでご注意ください。
ざっくり感想
土方さあああぁぁぁあああん!!!!!!!(が格好良すぎて意味がわからない)
むっちゃああぁぁああん(泣)
堀川歌うまい!
巴さんがちゃんと巴さんだった
ミュージカルだった
これは生舞台で観てみたかったなぁ…!
ざっくりあらすじ
冒頭は坂本龍馬暗殺の場。
その場へ出陣していた和泉守兼定、陸奥守吉行、巴形薙刀の3振だが時間遡行軍が現れず帰還することになる。
元の主が自ら(刀=陸奥守吉行)を握って息絶えた瞬間に立ち会うも動じる様子のない陸奥守に和泉守は納得がいかない。
本丸帰還後、「あいつには心がない」と新撰組の仲間(堀川、長曽祢、大和守)にこぼす和泉守。
薙刀の集合体でありこれまで主をもたなかった巴形薙刀は主へ出陣の結果報告時に感想を聞かれ「俺には傍仕えが向いていると思う」と答えるが…。
以前は和泉守のように陸奥守が理解出来なかったと大和守に語る長曽祢。
今は酒を酌み交わす仲になり陸奥守のことを不器用だと言いつつ「懐が深い、細かい事にも気を配れる、そこが近藤さんに似ていないか?」評する。
ならば近藤勇と坂本龍馬は似ていたのかもしれない、もし二人が出会っていたら…大和守は語る途中で「これ以上は歴史修正になっちゃう」と口をつぐむ。
そんな大和守に長曽祢は「想像するのは自由だ」と言葉を続ける。
和泉守と陸奥守の距離は埋まらぬまま新な出陣命令が下る。
隊員は巴形薙刀、和泉守、堀川、大和守、長曽祢、陸奥守。
この面子での出陣先はやはり――――。
…と、本心が見えないむっちゃんと真っ直ぐ熱い兼さんの葛藤とそれに寄り添う堀川。
見守る安定と長曽祢さん。
顕現したばかりで人としての心が真っ白な巴さんの成長。
近藤勇と沖田総司の死後、土方歳三の武士としての生きざまを描く感じで話は進んでいきます。
主役は土方歳三かな?
というくらいまず土方さんがカッコいい。
観た直後に「歴史上の人物で好きなのは誰?」と聞かれたら「土方歳三です!」と泣きながら答えちゃう並にカッコいい。
泣かせやがってこのやろう
刀ミュは結構泣かせてくるけど今までの刀ミュで一番泣いた。
今回はむしろ『土方歳三物語~刀剣達が見た鬼の副長~』並に土方さんメインに話が進み土方さんが本当に男前だし人物パートだけでも泣けるし主を失った/これから失う/主を持たない刀剣男士との関わりも切ないしで、かなり泣きました。
ミュージカルだった
『刀剣乱舞』は殺陣をしながらなので多少の息切れは仕方なしとして。
物語前半の堀川ソロ上手い!
むっちゃんも「熱唱系ではない明るめの曲を明るくなりすぎずに飄々と歌う」のは何気に難しいと思うのですごいなと。
他の男士も危なげな部分はたまにありつつ歌を聞いていて醒めたり現実に引き戻されるということがなかったので物語の世界に浸ることができました。
榎本さんソロ(これぞミュージカル!な曲と演出でやっぱり上手い)も合わさって「ミュージカル観てる~!」感があって楽しい。
今更ながら刀剣乱舞の自由度すごい
原作あり舞台だと原作のストーリーに沿った流れになるのが主だけど刀剣乱舞は原作ゲームの内容が骨組みくらいしかないので派生作品で良い意味でも悪い意味でも好き勝手できるのが強いんだなと改めて。
2.5次元は原作に沿った萌えやキャラクター萌えできるか否かも大事な部分だと思うけれど刀ミュは今回そこを軸とするのではなく意外な方向へ枝を伸ばしているように思いました。
なまくびとちしぶき
江戸から逃れた土方、島田が星を見て語らっている所に現れた中島が「近藤局長が処刑され三条河原に首を晒された」「沖田さんも…」と伝えるのですが。
「どうしてももう一度、土方さんに会わせたくて…」と下ろした荷物から近藤の首を取り出します。
「こんなに小さくなっちまって…!」と首を抱きしめて泣く土方。
良かった晒し首放置とか烏につつかれたり犬に咥えられたりでアレそうだから…。
『幕末天狼傳』で3人で笑い合い共に戦った3人を思い出してしまい見ているこちらも更に泣けます。
生首や、刀で切られる→障子に血飛沫ブシャーの演出は時代物ではよく見るけど刀ミュで見るとは思わなかったのでちょっとびっくりしました。
後半で土方さんが語るけれど、銃で撃つよりも刀で斬る方が「人を殺めた」実感大きそうだなと改めて。
そして、らぶフェスで三日月が語った「三条河原に晒された近藤勇の生首は何者かに持ち去られたという」逸話がここに繋がるんですね!
史実は明らかでないですが、この話で首だけでも弔うことが出来て良かった。
天狼傳と同じ時間軸…?
時間溯行軍から土方さんを守るつもりだったのに、溯行軍は土方さんの命を狙うのではなく仲間となり、土方さんを死なせないようにと歴史改変を目論んでいることを知り動揺する兼さんと堀川。
和泉守を見失い1人になってしまった堀川は溯行軍に捕まり敵地に軟禁されるも土方さんと言葉をかわす機会を得るのですが、自分で「俺は拷問暗殺なんでもやる鬼の副長だ」と言っちゃう土方さんに「知ってます!」とニッコニコな堀川。
その後「仲間を返してもらいに来ました」とやってきた5人と対面した土方さんが安定を見て「お前兄弟いるか?」と訪ねるのですが、それは沖田くんに似ているということなのか「天狼傳」で入隊してきた奥沢くんに似ているということなのか。
意味深に繋げてくるなぁ!
敵に愛着を持たせてどうするつもりなのか…
今回敵が企む歴史改変=土方歳三を死なせない。
それはわかるとして、時間遡行軍が3人、まさかの作戦で土方さんに仲間入りするけど
戸惑いつつ宴会参加するそこうぐん
犬や猫やカタツムリに似ているそこうぐん
酔いつぶれた寝顔を描かれてしまうそこうぐん
などなど、「え、遡行軍かわいい…」と思う場面が多く戸惑い。
時間遡行軍とはそもそも何なのかというのは色んな解釈があるけれど今回の遡行軍3人は人間味(というか元は刀だけど刀剣男士と同じように個性がある感じ)があって憎めなくて困るのですが。
私、ゲームでザッシュザッシュ遡行軍斬らせてるんですが。
土方さんらと刀剣男士たちと遡行軍で酒を飲むってすごいカオスで、でもそんな奇妙な楽しい時間は長く続かないとわかりきっているので「かっぽれ」で盛り上がるほど切ない。
陸奥守吉行が負っているもの
笑顔でいたら心がないと言われたり、色々あったことを枯れはてたとか覚えてないとか言っちゃったり、それでも前を向く在り方だったり、実際言葉で伝えてくれることが極端に少なくて陸奥守吉行しんどいなと思いました。
正直これまでむっちゃんを掘り下げて考えたことがなかったので驚いた。
ボロボロの土方さんを最後に撃つのが陸奥守というのはわかっていても辛かったです。
榎本武揚がとても好み
実在の人物的にどうこうではなく、今回のミュージカルで一番好みなのは榎本武揚でした。
頭が良くて理想が高くて甘くて憎めなくて。
土方さんが脇差気質で、腕っぷし的には弱い榎本さんを補佐しているというか相方というか同志というか「武士の誇りの半分は俺が持っていく。お前は残りの半分でこれからの日本を作れ」 という台詞が熱い。
進化している刀剣乱舞ミュージカル
歌の面でこれまでで一番クオリティが高かったのも進化ですが、刀剣男士をがっつりメインに持って来るのではなく(これまでも刀剣男士の元主が登場し史実に基づいた独自の展開をしたり男士と元主との関係性について描いてきてはいましたが今作は特に元主である土方歳三について掘り下げていた)これまで以上に元主にスポットを当て今までと違う角度から刀剣乱舞の世界観を楽しむことが出来ていたのも進化。
元主をどう描くのかという点でも今回の土方歳三は魅力的で人間臭さもあり良かった。
2.5次元舞台は「漫画やアニメ、ゲームで見た物語を2.5次元で再現し楽しむこと」「漫画やアニメ、ゲームで愛でていたキャラクターを2.5次元でも愛でられるようにすること」がベースなのかなと刀剣乱舞と、その他いくつかの2.5次元舞台を観て自分の中で解釈していたのですが(俳優さんのファンが俳優さんありきで2.5次元舞台やキャラを愛でるというのも多分にあるとは思いますが、そちらは俳優さんに疎い私には語れない領域)今回感じた「進化」は完成度の高さを含め驚きでした。
刀剣乱舞をよく知らない人が観ても楽しめそう!
刀剣乱舞という世界でキーマンになっている三日月宗近が今回いなかったこともあり、元主を主軸ばりに据えることが出来たのかなとも思うので、三日月をはじめとした刀剣男士に再びメインスポットを当てた時にまた刀ミュがどう進化するのかも楽しみです。